私たちは創造集団である限り、それぞれが自立した自由な立場で参加し、又世の中の常識に縛られることなく、自由な発想で演劇の創造に取り組むことができる、いわゆる「大人の集団」でありたいと願い、劇団名を「自由人会」とし、1994年1月に発足しました。
ところが1995年1月17日の阪神・淡路大震災では一番被害の大きかった神戸市東灘区の事務所が全壊し、劇団員たちにケガはなかったものの、劇団の全てを失いました。
私たちがどん底から立ち上がることが出来たのは、未曾有の災害の中で、自分たちのことより被災した他の人々の為に一生懸命になって働く一般市民の人たちの姿です。秩序を守り、冷静に今自分は何ができるのか、何を優先すべきなのか、一人一人の賢明な行動が大きな力となり神戸の復興につながっていったと確信しています。
私たちも被災地で公演し仮設住宅のお年寄りの方々をご招待したり、病院の待合室や障害者の作業所でも公演させていただきました。
神戸の劇団であることを誇りに感じ、これからも生きる力を信じ、明日への糧となる演劇の創造を目指していきたいと思っています。
劇団自由人会 代表 森もりこ